結論
南海トラフ地震は必ず起きると考えられていますが、発生時期を予測することは不可能です。国や自治体は想定や避難計画を進めていますが、最も重要なのは個人が自分と家族、そしてペットを守る備えと行動を持っていることです。特に「最初の1分・1時間・1日」の行動が生死を分けます。さらに、ペットと一緒に避難するための準備も欠かせません。
南海トラフ地震は本当に起きるのか?
南海トラフはフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界。 歪みが解放されるとマグニチュード8〜9の巨大地震が発生。 過去の大地震:宝永地震(1707)、安政東海・南海地震(1854)、昭和東南海地震(1944)、昭和南海地震(1946)。 周期はおよそ100〜150年で繰り返されており、次が起きても不思議ではない。 内閣府の発表では 30年以内に70〜80%の確率 とされている。
国と自治体の対策 🏛
津波避難ビルの指定やハザードマップの配布 毎年の大規模防災訓練 緊急地震速報や津波警報の強化 最悪想定:死者23万人、経済被害220兆円(内閣府試算)
個人ができる備え 🏠
命を守る環境づくり
家具の固定、寝室はガラスや落下物から遠ざける 避難経路・避難ビルを家族と共有
備蓄
水:1人1日3リットル × 1週間分 非常食:レトルト・缶詰・栄養補助食品 持ち出し袋:懐中電灯、モバイルバッテリー、現金、薬、マスク、簡易トイレ 衛生用品:ウェットティッシュ、トイレットペーパー、生理用品
連絡手段
災害用伝言ダイヤル(171) LINEやSNSの安否確認機能 集合場所をあらかじめ決める
南海トラフ地震直後の行動マニュアル
最初の1分
頭を守る(机の下・クッションで保護) 揺れが収まったら火を消す 出口を確保(ドアを開ける)
最初の1時間
津波警報が出たら即座に高台や避難ビルへ 負傷確認と応急手当 ラジオやスマホで情報収集 火災・ガス漏れ・倒壊に注意
最初の1日
水と食料の確保 家族や知人に安否を知らせる 避難所で防寒・感染症対策 冷静に行動しデマに流されない
ペット(猫)の避難と安全 🐾
ペット避難の原則
災害時は「同行避難」が基本(環境省指針)。 飼い主とペットが一緒に避難所へ行き、避難所内では原則として別スペースで飼養管理。
準備しておくもの
キャリーバッグ・ハーネス・リード ペットフード・水(少なくとも5日分以上) ペットシーツ・猫砂・トイレ用袋 常備薬やワクチン手帳、写真(迷子時のため) タオルや毛布(安心できる匂いのもの)
避難所での工夫
避難所は人も多く猫がストレスを受けやすい → ケージやキャリーに慣れさせておく 鳴き声や匂いへの配慮が必要 → 消臭用品やおもちゃで落ち着かせる
まとめ
南海トラフ地震は必ず発生すると考えられ、国や自治体は備えを進めていますが、最終的に命を守るのは個人の準備です。「最初の1分・1時間・1日」の行動マニュアルを覚え、さらに家族とペットのための備えを整えておくことが生死を分けます。猫や犬などのペットも大切な家族。同行避難の準備を日頃から進めることが、安心して災害を乗り越えるカギとなります。
参考文献
内閣府「南海トラフ地震対策」 気象庁「南海トラフ地震に関する情報」 環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」 消防庁「防災マニュアル」 NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」 既知の情報から整理(ペット同行避難の準備事例、個人防災の基本)
【コメント】
2025/10/01追記
やはり不安になってしまう。ほぼ間違いなく地震が起こるのなら、いつ来るかが気になる。
今後10,20年だとそれぞれどれくらいの確率で発生し得るのか。そこまでが余生となっても構わないよう、日々悔いなく生きたいな。
結論
公的に示されているのは「今後30年でおおむね80%程度」という評価です(2025年1月1日現在)。10年・20年の公式値は公表されていません。便宜的に「年あたりの危険度が一定」と仮定して概算すると、10年で約3〜4割、20年で約5〜6割という目安になり得ます。ただし、これは単純化した計算であり、実際のリスクは時々のひずみ蓄積や連動パターンに左右される可能性があります。
根拠(公的評価)
政府(地震調査研究推進本部)の長期評価では、**南海トラフのM8〜9級が「今後30年でおおむね80%程度」**と説明されています(2025/1/1時点)。 同本部は「長期評価=将来の長期的な発生可能性を確率で表す」枠組みを用いており、毎年更新されています。
10年・20年の“目安”をどう出すか
公式に10年・20年の個別確率は 示されていません。 そこで“年ごとの危険度が一定”という単純モデル(便宜的な近似)を置くと、30年で80%→年あたり約2.9%前後に相当します。そこから 10年:およそ33〜42% 20年:およそ55〜66% といったレンジ感になります(30年70〜80%を起点に試算)。※あくまで概算であり、政策判断や避難計画に使う「公式値」ではありません。
注意点(数字の“読み方”)
南海トラフは同時発生/時間差発生の両ケースが歴史的にあり、震源域の切れ方や相互作用に多様性があります。次回がいつ・どの型かは確定できません。公的文書も「発生可能性が高まっている状況」としつつ、幅を持たせています。 「30年で80%」は**“30年で必ず起きる”ではなく、“起きない20%もあり得る”**という意味合いです。確率論の数字は、防災の優先順位づけのための言語化に近いと受け止めるのが妥当です。
いま役に立つ着地
数字の細かい差より、家具固定・備蓄・在宅避難計画・広域避難の家族合意といった準備が行動差を生みます。南海トラフは広域長周期・大津波のシナリオが前提です。政府の被害想定検討資料でも、発生可能性が高い状況とされ、最大クラスも想定して対策を積み上げる立て付けです。
出典
内閣府(防災担当)「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会(本文)」:**30年で80%程度(2025/1/1時点)**の記載。 地震調査研究推進本部「『地震発生確率』について解説します」:長期評価と確率値更新の考え方。
