結論
猫のご飯量は「体重・年齢・体調(避妊去勢や病気の有無)」によって変わり、さらにフードの種類(ドライ・ウェット)によっても調整が必要です。一般的には 1日の必要カロリー=体重1kgあたり40〜50kcal が目安とされ、それをフードのカロリー量に応じてグラム換算します。大さじに直すと、ドライフード約1杯=9〜10gが基準になります。
1. 基本の計算方法
必要カロリー(kcal/日)=体重(kg)×40〜50kcal 例:4kgの成猫 → 160〜200kcal/日
ドライフードは100gあたり350〜400kcal程度が多いので、
200kcal ÷ 380kcal × 100g ≒ 53g
となります。
2. 体重別の目安(成猫の場合)
体重
必要カロリー
ドライフード量
大さじ換算
2kg
80〜100kcal
20〜27g
約2〜3杯
3kg
120〜150kcal
32〜40g
約3〜4杯
4kg
160〜200kcal
43〜53g
約4〜5杯
5kg
200〜250kcal
53〜67g
約5〜7杯
6kg
240〜300kcal
64〜80g
約6〜8杯
※大さじ1杯=約9〜10gとして換算
3. 年齢別の違い
子猫(〜12か月)
成長期のため 体重1kgあたり100kcal前後 必要 ドライフード:成猫の約2倍近い量を与えてOK 1日3〜4回に分けて与える
成猫(1〜6歳)
活動量に応じて上記の表を基準に調整 運動が多い子は+10%、少ない子は−10%程度
シニア猫(7歳以上)
基礎代謝が落ちるため −10〜20% 減らす 腎臓病や歯の問題が増えるので、ウェットフードを混ぜるとよい
4. 体調・状況別の違い
避妊・去勢後
代謝が落ちやすく太りやすいため、成猫基準より −10〜20%
肥満気味
体重管理用フードを選び、理想体重に基づいて計算 「今の体重」ではなく「目標体重」でカロリーを算出
病気中(腎臓病・糖尿病など)
必要量が変わるため、必ず獣医師の指示に従う 特殊療法食はカロリーが異なるので自己判断は危険
5. 大さじ換算の便利さ
ドライフード大さじ1杯=約9〜10g 4kg成猫(50g必要)の場合 → 大さじ5杯が1日の目安 朝晩に分けて「大さじ2.5杯ずつ」などで管理できる
計量カップやキッチンスケールを使うのが正確ですが、大さじ換算は忙しい時や家族に任せるときに便利です。
まとめ
猫のご飯は体重1kgあたり40〜50kcalが目安 大さじ1杯=約9〜10gで換算できる 年齢や体調(避妊去勢・シニア・病気)で調整が必要 肥満気味の場合は「現在の体重」ではなく「理想体重」で計算することが重要
猫にとって食事は健康そのものを左右する大切な要素です。可愛い猫のために、日々のグラム管理を習慣にしていきましょう。
参考文献
・日本動物病院協会(JAHA)「犬と猫の栄養管理ガイドライン」
・アメリカ飼料管理協会(AAFCO)栄養基準
・Royal Canin, Hill’s, Purina 各社フード成分表

