鉄道でなぜWi-Fiが繋がるのか?高速移動・地下環境でも使える仕組みを徹底解説

結論

鉄道でWi-Fiが使えるのは、トンネルや駅に沿って基地局(アクセスポイント)を等間隔に設置し、それを専用の回線や光ファイバーで結んでいるからです。さらに、高速移動中でも「ハンドオーバー」という仕組みによって、電車が次の基地局に移動するとき自動的に切り替わり、通信が途切れないようになっています。つまり「地上からの回線供給」「地下トンネル内のアクセスポイント配置」「移動中の接続切替」の三つが合わさって、鉄道Wi-Fiが成立しています。

高速で移動する電車でもWi-Fiが途切れないのはなぜ?

電車は時速100kmを超える速度で走っています。それでもWi-Fiが繋がる理由は「基地局を小刻みに置いて、常に近い場所から電波を拾っている」からです。

小セル方式  鉄道沿線や車両基地に小さなアンテナ(小セル)を多数配置し、電車が動くたびに次々と切り替えていく。 ハンドオーバー  スマホの4Gや5Gと同じ仕組みで、ある基地局から次の基地局へ通信を引き継ぐ技術。ユーザーは意識しなくても自動で切り替わる。 専用回線の利用  基地局はそのままインターネットに繋がっているわけではなく、鉄道会社や通信事業者のバックボーン回線を通じて接続されている。

地下鉄でWi-Fiが繋がる仕組み

地上と違い、地下には電波が届きにくいという大きな問題があります。これを解決するのが「トンネル内アクセスポイント」と「漏洩同軸ケーブル(Leaky Cable)」です。

漏洩同軸ケーブル(Leaky Cable)  トンネルの壁に沿って特殊なケーブルを這わせ、ケーブル自体から電波を「漏らす」ようにして電車内に届ける仕組み。まるで電波のホースをトンネルに敷き詰めているようなイメージ。 駅ホームのアンテナ  駅には大きなWi-Fiアクセスポイントを設置し、停車中は強力に接続できるようになっている。 光ファイバーとの接続  地下トンネルのアクセスポイントは、最終的に地上の光回線と繋がっているため、安定してインターネットにアクセスできる。

車内でのWi-Fiの仕組み

利用者のスマホは直接「地下トンネルのケーブル」や「地上の基地局」と繋がるのではなく、車内のWi-Fiルーターを経由します。

車内ルーター  各車両にWi-Fiルーターが設置され、利用者はSSIDを選んで接続する。 車外アンテナ  車両の屋根や側面にアンテナがあり、トンネル内ケーブルや外部基地局と通信する。 利用者は一括管理  1両に数十人〜数百人が同時に使うため、帯域制御や接続数制限が行われている。

鉄道Wi-Fiの課題

鉄道Wi-Fiは便利ですが、いくつかの制約もあります。

速度の限界:同時接続者が多いと混雑で遅くなる ハンドオーバーの遅延:切り替え時に一瞬途切れることがある サービスの違い:鉄道会社ごとにSSIDや認証方法が異なり、統一性に欠ける

地下鉄と新幹線の違い

地下鉄  トンネル内に漏洩同軸ケーブルを敷設し、駅ごとに強力なアンテナを配置。短距離移動が中心なので、比較的安定しやすい。 新幹線  時速200〜300kmで移動するため、基地局の切り替え(ハンドオーバー)が頻繁に起こる。最近は5Gを活用した「トンネル内5G中継」や「衛星通信との併用」も研究されている。

まとめ

鉄道でWi-Fiが繋がる理由は、次の3つに整理できます。

地下では「漏洩同軸ケーブル」やホームアンテナで電波を供給 高速移動中は「小セル方式」と「ハンドオーバー」で接続を維持 車内ルーターが利用者をまとめ、外部の回線につなぐ

見た目には「普通にWi-Fiが繋がる」だけに見えても、その裏には鉄道会社・通信事業者・インフラ整備の巨大な仕組みが隠れているのです。

参考文献

・総務省「鉄道における公衆無線LAN整備」

・NTTドコモ「漏洩同軸ケーブルによる無線通信」

・JR東日本公式サイト「車内Wi-Fiサービスについて」

・IEEE Communications Magazine「Wireless communication in high-speed railway environments」

【コメント】

すごい金かかってるやんな

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