結論
眠くなると目が痒くなるのは、自律神経の切り替わりやヒスタミンの働きの変化、さらに子ども特有の「こすり癖」といった要因が重なって生じる生理的現象です。大人になると頻度が減るのは、涙の分泌や習慣の変化によって、痒みを感じにくくなるからだと考えられています。
眠くなると目が痒くなるのはなぜ?
眠気と痒みには、いくつかの生理的な要因が関わっています。
1. 自律神経の変化
人間の体は「交感神経」と「副交感神経」のバランスによって調整されています。
眠気が強くなると副交感神経が優位になり、体はリラックス状態に入ります。このとき涙の分泌が減ったり、目の表面の潤いが不安定になったりして、乾燥や違和感が「痒み」として感じられることがあります。
2. ヒスタミンの働き
ヒスタミンという物質は、眠気にもアレルギー反応にも関与しています。
脳ではヒスタミンが減少することで眠気が出る 皮膚や粘膜ではヒスタミンが増えると痒みが出る
この二面性のため、眠気と痒みが同時に起こることがあります。特に目の周辺は敏感なので、少しの変化でも痒みを感じやすいのです。
3. こすり癖とのループ
子どもの頃は、眠いと自然に目をこする習慣が強くあります。こすると角膜や結膜が刺激され、一時的に痒みが増し「痒い→こする→もっと痒い」というループに入りやすいのです。
大人になると意識的に「目をこすらない」ことを覚えたり、こする習慣が減ったりするため、痒みを感じる頻度も少なくなります。
大人になると減るのはなぜ?
眠気で目が痒くなるのは子どもの頃に強く、大人になると減る人が多いです。その理由には以下があります。
涙の分泌量や安定性が変化して、乾燥しにくくなる 自分でこすらないよう意識できるようになる アレルギー反応などの影響がコントロールされやすくなる
つまり「体の変化+行動習慣の変化」の両方が関わっているのです。
痒みを減らすための対策
眠気による痒みは基本的に無害ですが、気になる場合は以下の工夫が役立ちます。
目をこすらない(刺激で余計に痒みが強くなる) 部屋の乾燥を防ぐ(加湿器や目薬) PCやスマホで酷使した後は休憩して瞬きを意識する 強い眠気のときは無理に我慢せず仮眠をとる
まとめ
眠くなると目が痒くなるのは、生理的な反応として自然に起きる現象です。
副交感神経優位で涙の状態が変わる ヒスタミンが眠気と痒みに関わる 子どもの頃はこすり癖で痒みが強くなりやすい 大人になると習慣や体の変化で減少することが多いですが、完全になくなるわけではありません。無理に抑え込むより、適度に休みを取ったり、目を乾燥から守ることが大切です。
参考文献
・大塚任「睡眠と自律神経の科学」講談社ブルーバックス、2018年
・日本眼科学会「目の病気と健康」公式サイト
・日本睡眠学会「睡眠と身体反応」既知の情報から整理
【コメント】
小さい頃は毎晩なってた記憶があるのに、大人になって久しぶりにこの前眠くて目が痒くて、懐かしくなった
