天皇制はなぜ続いているのか?廃止論・存続論、団体の動き、戦前戦後の変遷まで徹底解説
結論
天皇制は日本の歴史と文化に根差した制度であり、戦前と戦後でその役割が大きく変化しました。戦後は象徴天皇制として続いていますが、存続を望む声と廃止を訴える声の双方が存在します。廃止論は主に一部の左派政党・団体、市民運動によって支えられていますが、国民の多数は依然として「天皇制存続」を支持しています。
天皇制の起源と歴史的背景
日本の天皇制は 世界最古の世襲王朝 とされ、初代天皇・神武天皇から2000年以上続いていると伝えられています。 戦前の大日本帝国憲法では「天皇は神聖にして侵すべからず」とされ、絶対的権威を持っていました。 第二次世界大戦後、日本国憲法によって「象徴天皇制」に変わり、政治権能を失いました。
戦後の象徴天皇制
憲法第1条「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」 政治的権力は持たず、国政に関する権能は一切なし(憲法第4条)。 国民の支持を背景に、行事・儀式・国際親善の役割を果たしている。 昭和天皇の戦争責任や退位議論、平成から令和への生前退位などを経て、その在り方は時代と共に変化してきた。
天皇制廃止を訴える団体・思想
1. 左派政党
日本共産党 戦前から「天皇制打倒」を掲げてきた歴史を持つ。戦後は「国民の総意に基づき廃止すべき」としている。 社会主義団体・一部市民運動 象徴天皇制を「封建的・非民主的」と批判し、完全廃止を求めている。
2. 市民団体・学者グループ
一部の学者やジャーナリストは「民主主義と世襲制度は両立しない」として、廃止または縮小を主張。 代表例として「天皇制廃止の会」「不戦兵士・市民連盟」などが存在。
3. 背景にある思想
廃止論の多くは「平等原則」と「民主主義」を根拠にしている。 特に「人権」を基準としたときに「天皇に選挙権がないのはおかしい」「生まれながらの地位は不平等」という批判がある。
天皇制を支持する多数派
世論調査では、常に 7〜8割の国民が象徴天皇制を支持。 理由は「日本の伝統文化」「国の安定」「災害時の寄り添い」など。 2019年の令和即位儀式では祝賀ムードが全国に広がり、依然として天皇制の支持が強いことを示した。
廃止論への反論
「世襲だから非民主的」という批判に対しては、「象徴であって政治権力を持たない以上、民主主義と矛盾しない」という見解がある。 「人権制約」を指摘する声には、「本人も覚悟を持って宿命を受け入れている」という伝統的正統性が対置される。 また「廃止すれば日本の歴史や文化の連続性が失われる」という懸念が根強い。
国際社会と天皇制
王室や皇室を持つ国は世界に約40カ国。イギリス、スペイン、タイなども世襲制を続けている。 国際的に見ても「世襲は時代遅れ」という批判はあるが、「伝統と安定を重視する国」では王室が強く支持されている。 日本の天皇制廃止論は国際的には少数派に見える。
まとめ:天皇制は「文化」か「不平等」か
天皇制は、日本の歴史と文化を体現する制度であり、国民の大多数が支持する一方で、少数ながら廃止を求める声も存在します。民主主義との緊張関係は確かにあるものの、廃止すれば日本のアイデンティティそのものが失われるとの懸念も強い。
「王族と変わらない」「民主主義に反する」という批判は事実ですが、それでも国民が存続を選んでいるという点にこそ、日本の政治文化の特異性があります。
参考文献
日本国憲法(1946年公布、1947年施行) 大日本帝国憲法(1889年) 日本共産党綱領(2020年改定版) 毎日新聞「天皇制に関する世論調査」2022年 朝日新聞「象徴天皇制に関する意識調査」2019年 国立国会図書館「象徴天皇制の意義と課題」
