結論
傘はほとんどの人が「濡れたら乾かす」だけで使い続けています。確かに乾かすことは必須で、それだけでもカビや臭いの防止に効果的です。しかし雨や雪には大気中の汚れや排気ガスが含まれているため、乾かすだけでは落としきれない汚れが蓄積します。結果として撥水効果の低下やカビ、錆の原因になるため、乾かすことに加えて「たまの洗浄」が望ましいのです。
傘は雨に濡れるだけで汚れるのか？
一見すると「雨＝水」なので綺麗なイメージがあります。しかし実際には以下のような汚れが傘に付着します。
大気中の排気ガスや煤煙 花粉や黄砂 PM2.5などの微細粒子 雨水に含まれる酸性物質
特に都市部の雨は「酸性雨」と呼ばれるように、わずかな酸性物質を含んでおり、繊維や金属部分を劣化させます。そのため、乾かすだけでは見えない汚れが積み重なっていきます。
洗う人はほとんどいない現実
実際には「傘を洗っている」という人は極めて少ないです。理由は単純で、
そもそも傘は消耗品という意識が強い 毎日のように使うわけではない 洗うという習慣が周知されていない といった点が大きいです。
多くの人は「濡れたら乾かす」だけで済ませており、それでも短期間の使用なら大きな問題はありません。しかし長期的に使いたい場合、汚れを落とさないと撥水効果の低下やカビが避けられません。
乾かすことは必須
乾かすこと自体は非常に大切です。傘を濡れたまま放置すると…
カビが発生する 雑菌が繁殖して臭いが出る 金属部分が錆びる
特にビニール傘はカビやすく、布傘は繊維に汚れが蓄積しやすいので注意が必要です。
正しい乾かし方は「折り畳まずに全開にして陰干し」。玄関で畳んだまま乾かすのは逆効果です。
傘はどれくらいの頻度で洗うべきか？
乾かすことを前提にすれば、洗浄はそこまで頻繁でなくても構いません。
普通の使い方なら 1〜2ヶ月に1回 軽く水洗い 花粉や黄砂の季節は 週1回程度 が理想 雪の日に使った後はすぐに水洗い（融雪剤＝塩分が錆びの原因になるため）
実際には「乾かすだけ」を基本にして、気になった時だけ洗うというのが現実的です。
傘の正しい洗い方
軽く水で流す（シャワーがおすすめ） 中性洗剤を薄めてスポンジで軽く拭き取る 金属部分の水気をきちんと拭き取る 風通しの良い場所で全開にして陰干し
漂白剤など強い洗剤は生地や撥水加工を傷めるので使わない方が良いです。
まとめ
傘は「乾かすこと」がまず必須。これだけで大半のトラブル（カビ・臭い・錆）は防げる ただし、雨や雪には汚れが含まれるので、乾かすだけでは不十分な面もある 長持ちさせたいなら、定期的に軽く洗って汚れをリセットするのが理想
つまり「乾かすだけでも最低限はOK。でも本当に清潔に長く使いたいなら洗浄も取り入れる」が正解です。
参考文献
・東京都環境局「雨水に含まれる大気汚染物質について」
・NHKためしてガッテン「傘の正しいお手入れ方法」
・tenki.jp 日本気象協会「酸性雨と大気汚染の関係」
