結論から言うと、椎間板ヘルニアは「腰や首に強い痛みやしびれを引き起こす病気」であり、長引くこともあれば自然に回復することもある。生活習慣や体の使い方が大きく関わるため、正しい知識と予防が重要である。
椎間板ヘルニアとは?
椎間板(背骨の骨と骨の間にあるクッション)が壊れて、中のゼリー状の髄核が飛び出し、神経を圧迫する病気。 主に腰(腰椎椎間板ヘルニア)が多いが、首(頸椎椎間板ヘルニア)にも起こる。
どんな人がなりやすいのか?
20〜40代の働き盛り世代に多い(特に腰に負担のかかる仕事をする人)。 重い荷物を持つ職業(運送、介護、建築など)。 長時間同じ姿勢をとる人(デスクワーク、運転手)。 運動不足や加齢で筋力が弱い人。 喫煙者(血流が悪くなり椎間板が弱りやすい)。 遺伝的要因も指摘されている。
主な症状
腰の痛み(ぎっくり腰のような鋭い痛み)。 お尻から足にかけてのしびれ・痛み(坐骨神経痛)。 足の感覚が鈍くなる。 力が入りにくくなる(歩行困難やつまずき)。 重症の場合、排尿・排便障害が出ることもある(馬尾症候群 → 緊急手術が必要)。
原因
加齢による椎間板の劣化。 重労働や激しいスポーツによる負担。 猫背や長時間の座位による姿勢不良。 急な動作(くしゃみ、前屈みで物を持つ)による負荷。
どれくらい続くのか?
軽症なら 数週間〜数ヶ月で自然に改善するケースも多い。 一方で、慢性化して長年痛みやしびれが続く人もいる。 完治というより「うまく付き合う病気」として捉えられることが多い。
完治するのか?
自然治癒する場合がある(飛び出した髄核が体に吸収される)。 ただし再発リスクがあり、一度よくなってもまた悪化する人も多い。 重症例では手術によって改善が見込める。
治療方法
保存療法(まずはこれが基本)
薬物療法:痛み止め(NSAIDs)、神経ブロック注射。 物理療法:温熱療法、牽引、電気治療など。 リハビリ:体幹を鍛える運動、ストレッチ。 生活習慣改善:正しい姿勢、体重管理。
手術療法(保存療法で効果がない・重症の場合)
ヘルニア摘出術:飛び出した髄核を取り除く。 内視鏡手術:傷が小さく回復が早い。 人工椎間板置換術:椎間板そのものを人工物に置き換える。
治療費
保存療法(薬・リハビリ中心):数千円〜数万円/月程度。 神経ブロック注射:1回数千円〜1万円程度(保険適用)。 手術:30〜50万円程度(健康保険3割負担で10〜15万円前後)。 入院期間:1〜2週間程度(症状や手術法による)。
気をつけること(予防)
正しい姿勢を保つ:腰を丸めない、椅子に深く座る。 重い物を持つ時は腰ではなく膝を使う。 長時間同じ姿勢を避ける(1時間ごとに立って伸びる)。 適度な運動(ウォーキング、体幹トレーニング)。 体重管理(肥満は腰の負担を増やす)。 禁煙(椎間板の老化を遅らせる)。
まとめ
椎間板ヘルニアは「誰にでも起こりうる病気」であり、生活習慣や姿勢が大きく影響する。完治するケースもあれば慢性化することもあるため、予防と早めの対処が重要である。
腰や足の強いしびれや排尿障害が出た場合は、命に関わるケースもあるため、すぐに専門医を受診すべきである。
