世界一辛い食べ物を食べたら味覚はおかしくなるのか?スコヴィル値と辛味の仕組みを徹底解説

結論

一時的に「味覚が麻痺したように感じる」ことはありますが、通常は辛味によって味覚そのものが永久的に壊れることはありません。ただし、強烈な刺激が粘膜や神経を傷つける可能性があるため、度を超えた摂取は危険です。

🔥スコヴィル値とは何か?

スコヴィル値(Scoville Heat Units:SHU)は、唐辛子などの辛さを数値化した指標です。

1912年、アメリカの薬剤師ウィルバー・スコヴィルが考案しました。

カプサイシンという辛味成分を糖水でどれくらい薄めたら辛味を感じなくなるかを基準にしています。 たとえば: ピーマン … 0 SHU タバスコ … 約2,500〜5,000 SHU ハバネロ … 約10万〜35万 SHU キャロライナ・リーパー(世界最強級) … 約200万〜300万 SHU

つまり「キャロライナ・リーパー」は、タバスコの約100倍以上の辛さということになります。

👅「辛味」は味覚ではない?

実は、「辛い」という感覚は味覚ではなく痛覚です。

五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)とは別で、辛味は舌の「痛みセンサー(TRPV1受容体)」が刺激を受けて発生します。

カプサイシンが舌や口内の神経を刺激し、「熱い」「痛い」と錯覚させるのです。 そのため辛いものを食べると、体温が上がったり、汗が出たり、脳がアドレナリンやエンドルフィンを放出して「快感」に近い感覚を覚えることがあります。

⚠️極端に辛いものを食べたときの身体への影響

「味覚が壊れる」と感じるのは、実際には神経が一時的に過敏化または麻痺している状態です。

主な反応として:

舌の痛み・腫れ 味覚鈍化(数時間〜数日) 胃痛や吐き気 目や鼻の粘膜の炎症 まれに呼吸困難やショック反応

特に**カプサイシン濃度が極端に高い食品(例:エキス入りソースや粉末)**では、少量でも口腔内や消化管を炎症させる恐れがあります。

🧠脳と味覚の関係

辛味は痛覚であるため、脳は「危険信号」として反応します。

しかし繰り返し刺激を受けると、脳がその刺激を「快感」として処理するようになります。これがいわゆる辛味耐性です。

つまり、

頻繁に辛いものを食べる人 → TRPV1受容体が鈍感になりやすい 普段辛いものを食べない人 → 同じ刺激でも強く感じる

このため、唐辛子を日常的に食べる文化圏(インド・タイ・メキシコなど)の人々は、辛さへの耐性が自然と高くなっています。

🧂味覚はおかしくならないのか?

医学的には、「辛味によって味覚細胞が永久に壊れる」という証拠はほとんどありません。

ただし:

炎症ややけどを繰り返すことで、舌の表面(味蕾)が一時的に傷つき、甘味・塩味などを感じにくくなることはあります。 これは通常、数日〜1週間程度で再生します。

したがって「味覚が狂った」と感じるのは、一時的な神経疲労や粘膜損傷によるものが多いと考えられています。

🩺医師が警告する“危険な食べ方”

世界最強クラスの唐辛子を生で丸ごと食べる行為は非常に危険。 過去にはキャロライナ・リーパーを丸ごと食べて、**脳血管の収縮による激しい頭痛(サンダークラップ頭痛)**を起こした事例も報告されています。 消化器系が炎症を起こし、吐血・下血などのケースも確認されています。

🧘‍♀️安全に楽しむコツ

牛乳やヨーグルトを用意する  カプサイシンは水に溶けにくく、脂肪で中和されます。 空腹時に食べない  胃の粘膜が直接刺激されやすくなります。 無理をしない  「辛さの限界挑戦系」はあくまでエンタメ。無理は禁物です。 辛味耐性を少しずつ鍛える  徐々に辛さを上げることで、痛覚神経が慣れてきます。

🔚まとめ

「辛味」は痛覚であり、味覚ではない。 世界最強クラスの唐辛子(200〜300万スコヴィル)は、短時間で神経や粘膜にダメージを与える可能性がある。 味覚が「壊れる」と感じても、それは一時的な神経麻痺で、通常は数日で回復する。 極端な摂取は危険だが、適度に楽しむ分には健康への悪影響は少ない。

参考文献

日本味と匂学会『味覚と痛覚の関係』 Wilbur Scoville, The Scoville Organoleptic Test (1912) 米国医学誌 BMJ Case Reports “Thunderclap headache after Carolina Reaper ingestion” (2018) 辛味食品と健康 日本食品科学工学会誌 (Vol.58, No.5, 2011)

【コメント】

辛いもの好きだけどお腹が弱くて…

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