結論
猫は冬になると食欲が増える傾向があると考えられており、これは「気温低下で必要エネルギーが増える」「冬に備える本能的な性質」「日照時間の変化に伴うホルモン調整」などの複数要因が重なるためとされている。犬や野生動物にも同様の傾向が見られるという報告があり、季節性の摂食行動は動物全般に共通すると考えられている。
猫の冬の食欲増加は本当なのか?
猫の飼育研究では、冬の方が夏よりも「1日の消費エネルギー量が増える」という傾向が複数の研究で報告されているとされている。
●理由
・外気温が下がることで体温維持のエネルギーが増える
・室内飼いでも自律神経が気温変化に反応する可能性
・冬の方がよく眠り、活動と代謝のリズムが変わる
特に寒冷期には、平熱を維持するために基礎代謝が自然と上がると考えられており、その結果「より多くのエネルギー源(=食べ物)を欲する」状態になるとされている。
猫はなぜ冬にエネルギーを溜め込もうとするのか?
猫は元々砂漠出身の動物であるため厳密な冬眠は行わないが、季節による体重変動は確認されていると考えられている。
●冬に備える本能的要因
・野生時代、冬は獲物が減る
・食糧入手が不安定になる
・脂肪を蓄えておくことで生存確率が高くなる
これらの理由から、冬に向けて「摂食増加 → 脂肪蓄積」という行動が進化的に形成された可能性が指摘されている。
猫の食欲は日照時間の影響も受ける?
生物は多くの場合、「日照時間(光周期)」によってホルモンが変化すると考えられている。
●光周期で変動するホルモン
・メラトニン
・甲状腺ホルモン
・生殖ホルモン
日照時間が短くなる冬はメラトニンが増加し、代謝関連ホルモンに影響する可能性があるとされている。その結果、
「冬は代謝アップ→食欲アップ」
という季節リズムにつながるとも解釈されている。
他の動物にも冬の食欲増加はあるのか?
多くの動物が同じ傾向を示すとされている。
●例
・犬 → 冬に多く食べ、夏は食欲が落ちる傾向
・リス→典型的に秋冬に食料を蓄える
・ヒグマ → 冬眠前に大量に摂食する「超食期」
・鳥類 → 渡り前に脂肪を増やす
哺乳類・鳥類全般に「冬=食欲増加」は見られる現象で、気温・光周期・摂食機会の変化が複合的に作用していると考えられている。
室内飼いの猫も同じ変化があるのか?
完全室内飼いでも、冬に食欲が増えるという報告が多いとされている。
●理由の候補
・室内でも気温差を感じる
・日照時間が短くなるのは屋内外に関係ない
・自律神経が季節変動する
ただし、暖房が効きすぎている家では季節変動がほぼ消えることもあるため、個体差は大きい。
冬の食欲増加は健康に問題はないのか?
正常な季節変動の範囲なら問題ないと考えられているが、
●急激な体重増加
●異常な食欲
●肥満化
などは注意すべきとされている。特に肥満は糖尿病・関節疾患・心血管負担などのリスクを高めるため、冬だからといって無制限に食べさせるべきではない。
猫の冬の食欲と上手く付き合う方法
●食事量を季節に合わせて微調整する
●総カロリーは守る
●冬は運動量が減るので遊びも増やす
●体重管理を継続する
●寒さ対策(ブランケット・寝床)をする
栄養を与える一方で、肥満を予防するバランスが大切とされている。
結論
・猫は冬になると食欲が増える傾向がある
・理由は体温維持・光周期・本能的行動など複数
・犬や他の動物も同様に季節で食欲が変わる
・室内飼いでも季節変動は完全には消えない
・ただし肥満には要注意で調整が必要
参考文献
・National Research Council “Nutrient Requirements of Cats”
・Journal of Animal Physiology (季節変動に関する論文)
・American Veterinary Medical Association (AVMA)
・既知の情報から整理
【コメント】
冬はより食べたがるから気になった
