飛行機に乗ると眠くなるのはなぜなのか?気圧のせいなのか?酸素・湿度・自律神経の影響まで徹底解説

結論:飛行機に乗ると眠くなる現象は、気圧低下そのものよりも「機内の低酸素状態・低湿度・自律神経の変化・感覚刺激の単調さ」が重なって起こる反応と考えられている。病的な異常ではなく、人間の生理として比較的自然な反応である。

全体テーマ

飛行機に乗ると眠くなる現象は、単なる気のせいなのか。それとも物理的・生理的な理由があるのか。

① 機内の気圧は地上とどう違うのか

旅客機の機内は完全な常圧ではなく、高度約6000〜8000フィート(約1800〜2400m)相当の気圧に保たれているとされている。これは安全性や機体構造上の制約によるもので、地上よりも気圧は低い。

重要なのは「気圧が低い=直接眠くなる」ではなく、気圧低下に伴って酸素分圧が下がる点である。

② 気圧そのものより「酸素の薄さ」が影響する

空気中の酸素濃度(約21%)自体は変わらないが、気圧が下がることで体に取り込める酸素量は減少する。この軽度の低酸素状態は、高山に行ったときにぼんやりしたり眠くなったりする感覚と近い。

機内の低酸素は健康な人にとって危険なレベルではないが、脳の覚醒レベルをわずかに下げる方向に働く可能性がある。

③ 低酸素がなぜ眠気につながるのか

脳は酸素消費量が非常に多い臓器であり、酸素供給がわずかに下がるだけでも活動レベルを抑えようとする。

このとき、集中力の低下、判断力の鈍化、眠気といった形で現れることがある。これは防御的な生理反応に近く、「省エネモード」に移行している状態と捉えられる。

④ 機内の低湿度も眠気を助長する

機内の湿度は10〜20%程度と、砂漠並みに低いとされている。

低湿度環境では、

・喉や鼻の乾燥

・軽い脱水

・血流や粘膜の違和感

が起こりやすく、これが倦怠感や眠気として自覚されることがある。自覚しないレベルの脱水でも、覚醒度は下がりやすい。

⑤ 自律神経が「休息モード」に寄りやすい

飛行機に乗ると、

・移動が完了したという安心感

・外界刺激の遮断

・座って動かない状態の継続

といった条件が重なり、副交感神経が優位になりやすい。

さらにエンジン音や機内音は一定で単調なため、脳への刺激が減り、入眠しやすい状態が作られる。

⑥ なぜ離陸後すぐ眠くなる人が多いのか

離陸後は緊張から解放されやすいタイミングである。

搭乗前や離陸中は無意識に交感神経が高まりやすく、その反動で離陸後に一気にリラックス状態へ移行することがある。この自律神経の切り替えも、眠気を誘発する要因の一つと考えられている。

⑦ 時差や体内時計の影響も無視できない

特に長距離フライトでは、体内時計と現地時間がズレ始める。

脳はまだ昼だと認識していても、環境刺激が少なく低酸素・低湿度が重なることで、眠気が強調されることがある。これは時差ボケの初期反応として現れる場合もある。

⑧ 眠くならない人との違いは何か

個人差は大きい。

・低酸素に強いかどうか

・不安や緊張が強いか

・カフェイン摂取の有無

・普段の睡眠不足

などが影響する。緊張が強い人は交感神経が優位のままで、逆に眠くなりにくいこともある。

⑨ これは危険なサインなのか

通常の眠気は危険なものではない。

ただし、

・強い頭痛

・息苦しさ

・意識が朦朧とする

などが伴う場合は、単なる眠気とは別の問題の可能性があり、乗務員に相談すべきである。

⑩ 最終的な整理

飛行機で眠くなるのは、

・軽度の低酸素

・低湿度

・自律神経のリラックス化

・刺激の単調さ

が重なった結果として説明できる。

気圧はきっかけの一つだが、単独の原因ではない。

多くの場合、これは人間の生理にとって自然な反応であり、異常ではない。

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