結論
今年のイワシ大豊漁は、黒潮大蛇行の終息による海水温低下と、プランクトン増加、そしてイワシの留まりやすい海況が重なった結果と考えられます。ただし、なぜ「今年に限って」「特にこのタイミング」で?については、多くがまだ仮説であり、いくつかの要因が偶然重なった結果といえそうです。
驚くべき豊漁量の実態
千葉・銚子港では8月の水揚げが前年の1890倍という異常値を記録 。 例年「入梅イワシ」として知られる6月の定番漁も、3年ぶりに2万7千トンに達する大豊漁に 。 北陸や九州などでも、1匹10円程度と、大衆魚の救世主的存在に 。
豊漁の背景:黒潮と水温・プランクトンの変化
東海大学・山田吉彦教授は、海水温の上昇によるプランクトン増加と、黒潮大蛇行の終息による水温低下により餌が豊富になり、イワシが銚子沖に留まりやすくなったと分析 。 特に黒潮の蛇行終息が銚子沖の海水温を低く保ち、その結果イワシが北上せず留まった可能性が高いとの指摘もある 。
ではなぜ「今年に限って」?
例年ならばイワシは梅雨を過ぎると三陸から北海道へ北上してしまいますが、今年は暖かい海と餌場の豊富さで銚子沖にとどまった。 黒潮大蛇行の終息と海水温の低下が同時に起き、タイミングよく重なった可能性が大きいですが、現時点ではまだ「偶然のタイミング」でしか説明できていません。
私たちの暮らしへの影響
スーパーなどではイワシが価格半額稀に見る安さで並ぶようになり、食卓の救世主に 。 地元飲食店では「魚が間に合わないほど大繁盛」「イワシ料理の行列ができる」など活気が出ています 。
まとめ
異常なイワシの豊漁が夏以降各地で確認されている 背後には「プランクトン増加」「黒潮蛇行終息」「海水温の変化」など複数の要因が重なった形跡あり なぜ今年に限ってそれらが同時に起きたのかは、現時点では完全な解明には至っていない 消費者には「お得な時期」である一方、水産資源の長期的な影響には注意が必要