結論
夜勤は心身への負担が大きいとされており、睡眠の質・ホルモン分泌・代謝・メンタルに影響が出る可能性があると考えられている。一方で「夜型の人間が無理に朝型へ矯正する」ことも別種のストレスや睡眠障害を招く可能性があり、どちらも単純な優劣では語れない。最適なのは「自分の体内リズムと、生活・仕事をすり合わせる設計」とされている。
夜勤は身体にどれだけ悪いのか?
夜勤は、体内時計(概日リズム)を恒常的に乱すため、次のような悪影響が起きる可能性があるとされている。
●睡眠の質の低下
昼間に寝ると外光・騒音・気温によって睡眠が浅くなることが多い。
メラトニン(睡眠ホルモン)は夜間に最も強く分泌されるため、昼寝では量が不足する可能性があるとされる。
●メンタルへの影響
夜勤労働者には、うつ症状・焦燥感・情緒不安定が増えるという研究が複数報告されているという説がある。
●生活習慣病のリスク上昇
夜勤労働は次のような疾患のリスクを上げる傾向があるとされる。
・肥満
・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・心血管疾患
これは「食事時間が不規則になる」「代謝リズムが狂う」ことと関連があるとみられている。
●がんリスクの可能性
世界保健機関(WHO)傘下のIARCは、交代制夜勤を「発がん性の可能性がある(Group2A)」に分類している。
メラトニンの低下や免疫調節の乱れが要因と考えられている。
●胃腸の不調
交感神経の優位が続くため消化機能が弱まり、胃痛・便秘・食欲不振が起きることがある。
●寿命への影響
北欧の統計では、夜勤を長く続けた群で死亡率がやや高いという報告があるという説がある。
ただし、因果は複雑で断言は困難とされる。
早起きと比較してどうなのか?
●朝型(早起き)は一般に健康的とされる理由
・陽光で体内時計が整う
・メラトニンが自然に分泌・消失する
・食事や運動リズムが整いやすい
・精神衛生に良いとされる研究が多い
・活動のピークが昼に合う
しかし、これが“全員にとって理想”とは言えないと考えられている。
夜型人間が無理に朝型にすると起こる問題
「遺伝的に夜型寄り」である人は一定割合いるとされており(クロノタイプ)、強制的に朝型へ矯正することで次のような不調が出る可能性があるとされる。
●慢性睡眠不足
本来眠くなる時間帯より前に寝ても深く眠れないため、睡眠効率が低下する。
●朝の強烈なだるさ
メラトニン消失が遅いため、朝に“起きる力”が弱くなる。
●集中力低下
脳の覚醒ピークが夜にあるため、朝に働くとパフォーマンスが落ちる可能性がある。
●精神的ストレス
「社会は朝型である」という圧力が強く、夜型の人は自己否定・社会適応感の低下に悩む例があるとされる。
●無理な矯正=夜勤の逆パターン
夜型の人にとっては、無理な朝型矯正が夜勤と同じように「体内時計のフロー」を引き起こす可能性がある。
結局、夜勤と早起きはどちらが良いのか?
次の3点で整理できる。
●1. 一般論としては「早朝活動」が健康に良い傾向がある
体内時計は光に縛られており、人類の歴史的にも朝型が多数派。
●2. ただし夜型の人が存在し、無理な矯正は逆効果
これは性格や怠惰ではなく、生物学的な傾向とされる。
●3. 夜勤は長期的には健康負荷が大きいという研究が多い
特に「長年の交代制勤務」がリスクを高めるとされる。
最適解=「自分のクロノタイプに合う生活×過度な夜勤回避」
●夜勤は避けられるなら避ける
●どうしても夜勤なら
・睡眠時間を確保
・光環境の調整(遮光カーテン・アイマスク)
・カフェイン摂取のタイミング調整
・食事時間を整える
などの対応が有効とされている。
●夜型の人は「完全朝型」に無理に寄せない
9時〜17時の仕事が合わない場合は、夕方勤務・フレックス勤務が合理的。
まとめ
夜勤は体内時計の乱れによって多くの健康リスクが示されており、長期的負荷が積み重なる可能性がある。一方で、夜型人間が無理に朝方へ移行することもストレス・睡眠障害・パフォーマンス低下につながる可能性がある。
最適なのは、「自分の chronotype に合った生活」を軸に、生体リズムとの整合性を確保することだと考えられている。
参考文献
・世界保健機関(WHO)IARC 夜勤と発がん性分類文書
・National Sleep Foundation “Sleep and Shift Work”
・Harvard Medical School “Circadian Rhythm Research”
・日本睡眠学会 資料
・既知の文献整理によるまとめ
【コメント】
マジで早起き無理なんだよね
休んでたら自然と夜型になるし
結局ストレスを溜め込まないのが一番だよなって
