結論:獅子舞(divine beast dancing lion)が複数いること自体は「役割を持つ祭祀・守護存在が複数配置される」設計として説明しやすく、「死(death blight)を帯びる個体」がいる理由は、ラウフ(ancient ruins of rauh)という土地で戦う別個体が戦闘中にdeath blight系の挙動(死の霧・バジリスク召喚など)を見せるという事実を起点に、「ラウフの文明が死を生んだ」というより「ラウフ周辺に死系の力が残留・混入しており、その場に配置された獅子舞がそれを帯びている」モデルの方が破綻が少ない可能性があります。
まず「死の獅子舞」とは何なのか(現象の定義)
ここで言う「死の獅子舞」は、dlc(shadow of the erdtree)で確認できる獅子舞のうち、特にラウフの古遺跡(ancient ruins of rauh)で戦う個体が、戦闘中にdeath blightに関係する挙動(例:death blight系の息、バジリスクの召喚など)を含む、という現象を指す整理になります。これは「獅子舞という存在が根源的に死の神格である」という断定より、「同型の個体でもロケーション差・付与差がある」というゲーム上の実装事実から入る方が安全です。
なぜ獅子舞は複数いるのか(ここは確定寄りに整理できる)
獅子舞は、ベルラート(belurat)で出会うものと、ラウフの古遺跡で出会うものが別個体として配置されています。少なくとも「同名ボスが複数配置されている」こと自体はゲーム上の事実です。したがって「複数いるのはおかしい」というより、「獅子舞は一柱しか存在しない個体神」ではなく、ある文化・儀礼・守護の枠組みで複数運用され得る存在、と捉えるのが自然です。
ここで重要なのは、「複数いる」ことと「死を持つ」ことは別問題として切り分けることです。複数配置は役割の複製で説明できる一方、死属性の付与は土地・系統・混入した力の説明が別途必要になります。
なぜ「死」を持つ獅子舞がいるのか(本題)
ラウフの個体については、戦闘中にdeath blightに関わる危険挙動がある、と複数の攻略情報が一致しています。具体的には、death blightの対策タリスマンが推奨されたり、death blight形態でバジリスクを呼ぶ、といった説明が見られます。
この事実から言えるのは、「ラウフの獅子舞は、少なくとも戦闘表現として死(death blight)と結び付けられている」という点です。原因の説明は作中で明言されていない領域が多いため、断定ではなく整合モデルとして次を組むのが無理が少ない可能性があります。
・獅子舞は本来、角人(hornsent)側の祭祀・守護・天候(雷や嵐)と結び付くイメージが強い
・一方で、ラウフの個体は「死」を使う
・つまり、獅子舞の本質が死であるのではなく、「ラウフの古遺跡という場所にある死系の残留要素」が、その個体に付与されている(またはその土地で変質している)と見る方が、最小仮定で説明しやすい
ポイントは「死の獅子舞」という名前の存在が設定として確定しているかではなく、「ラウフの個体が死の挙動を持つ」という観測事実を、世界観の言葉に翻訳する、というやり方です。
「ラウフのせい?」という問いへの精密な整理
この問いは、因果の主語が2つあり得ます。
a:ラウフ文明が“死という概念”を生み出したのか
b:ラウフという土地・遺跡が“死の力”を保持・混入させているのか
aはかなり強い主張で、作中の根拠が薄くなりやすいです。黄金律以前から「死」「死の根」「死のルーン」などの大枠が絡むため、ラウフ単体に起源を押し付けると他要素と衝突しやすくなります。
bは弱い主張で、「ラウフでは死の挙動を持つ獅子舞が現れる」という事実と、その土地が古い遺跡であるという情報から、「死系の力がその土地に残っている/混ざっている」程度の説明に留められます。現時点で破綻が少ないのはbの枠組みです。
つまり、
❌ ラウフが死を生んだ
⭕ ラウフが死を排除しなかった/死の残滓が混入したまま残った可能性がある
という整理が、余計な断定を減らします。
そもそも黄金律と「死」はどういう関係だったか(思い出すべき前提)
エルデンリング本編の中核として、黄金律は「死のルーン(destined death)」の扱いと密接です。ここを踏まえると、死は単なる属性ではなく、世界法則と政治(支配)に直結するテーマになります。
この前提があるため、「死を帯びる獅子舞」を見たときに重要なのは、
・その存在が“死王子系”の正統に属する、という断定ではなく
・黄金律によって統制されたはずの死が、別の文化圏・別の遺跡・別の土地で形を変えて現れる
という“漏れ”や“残留”の構造を読むことです。
ラウフの古遺跡が「古い文明の残骸」である以上、黄金律の統制が及びきらないものが残っていても不自然ではない、という方向に寄せると整合が取りやすい可能性があります。
なぜ「今」ラウフでそれが残っているのか(現象の意味づけ)
dlcの舞台は「影の地」であり、過去の残滓、封印、抑圧されたものが“別の形で見える”舞台装置として機能している、と感じるプレイヤーは多いはずです。ただし、ここは雰囲気論に寄りすぎると危険なので、最低限の事実から言い換えます。
・ラウフはdlcのロケーションとして「古遺跡」である
・そのロケーションに配置された獅子舞は、別個体として存在する
・その別個体はdeath blight系の挙動を含む
この3点だけで、「死の力があの土地に関係している」までは言えます。逆に、それ以上(死の起源がラウフ、など)に踏み込むには、作中の追加テキストや相互参照が必要になります。
一文でまとめると
死の獅子舞(death blightを帯びる獅子舞)がいるのは、獅子舞が複数運用される存在であることに加え、ラウフの古遺跡という土地に死系の力が残留・混入しており、その個体がそれを戦闘表現として帯びている、と整理するのが無理が少ない。
補足(核心になりやすい観点)
あなたの疑問が鋭いのは、「獅子舞が複数いる」ことを既に切り分けたうえで、「なぜ死というテーマがそこに付着するのか」という“属性の出所”を問うている点です。
次に掘るなら、筋が通りやすい枝はこうなります。
・ラウフ周辺に死を示唆する固有テキスト(地図断片、装備説明、敵配置の体系)がどれだけあるか
・ラウフの獅子舞が召喚する(または同時に出る)要素が、death blightの文脈(バジリスク等)とどう整合するか
・角人(hornsent)文化の「天(嵐)」モチーフと、「死」モチーフが同居する意図は何か(儀式の二重性、封印の失敗、混入など)
この方向に資料を集めるほど、「ラウフのせい?」という問いは「起源」ではなく「残留と混入のメカニズム」へ移り、回答の精度が上げやすくなります。
参考文献
elden ring wiki (fextralife), divine beast dancing lion https://eldenring.wiki.fextralife.com/Divine+Beast+Dancing+Lion
elden ring wiki (fextralife), ancient ruins of rauh https://eldenring.wiki.fextralife.com/Ancient+Ruins+of+Rauh
eip.gg, ancient ruins of rauh bosses(ラウフの獅子舞がdeath blight形態でバジリスクを呼ぶ等の記述)https://eip.gg/elden-ring/guides/ancient-ruins-of-rauh-bosses/
gamerant, this version of the dancing lion can cause death blight(ラウフ個体のdeath blight注意)https://gamerant.com/how-reach-dancing-lion-boss-ancient-ruins-of-rauh-elden-ring-dlc/
elden ring wiki (fandom), divine beast dancing lion(ラウフで戦う個体がいる旨の記載)https://eldenring.fandom.com/wiki/Divine_Beast_Dancing_Lion
